信念と誇りを胸に 県消防学校で卒業式

卒業証書を受け取る西村さん
卒業証書を受け取る西村さん

和歌山市加太の県消防学校で初任教育第48期生58人が約6カ月の課程を修了し、13日に同校で卒業式が行われた。

市消防局と、県内14の消防本部で採用された18~27歳が4月に入学。9月までの半年間、厳しい訓練に励んできた。

式の前には卒業生が、出席した家族らの前で教育訓練の集大成として、建物火災を想定した人命救助や消火活動などを披露した。

訓練するわが子の姿を写真に収めていた、かつらぎ町の木下具美さん(48)は「キリッとしてかっこいい」とにっこり。

和歌山市の辻佐智子さん(52)は「祖父、父が消防士で、息子は幼稚園の頃からずっと消防士になるのが夢だった。それが現実になって感動している」と笑顔だった。

その後、行われた式では、卒業生一人ひとりの名前が呼ばれ、卒業生を代表して海南市消防本部の西村向陽さん(23)に堀田和仁校長から卒業証書が手渡された。

堀田校長は「体力の限界を超えた過酷な訓練は、これからの消防人生の大きな自信になったと思う。明日からは先輩の指導のもと、真の消防のプロフェッショナルになるよう頑張ってください」と激励。

御坊市消防本部の小松千尋さん(27)は「この半年間で人を助けることの難しさや、消防の厳しさ、崇高な使命感と責任の重さを痛切に感じながら成長することができました。この消防学校で培った信念と誇りを胸に、全力で職務を全うします」と謝辞を述べた。

成績が優秀で他の生徒の模範になったとし、県知事賞が授与された和歌山市消防局の吉田理石さん(25)は「人間力、スキルをバランス良く持ち合わせ、仲間や市民から信頼される存在になりたい」と目を輝かせた。