空飛ぶクルマ有人飛行 県内初、実証に成功
次世代の移動手段として期待されている「空飛ぶクルマ」の実証飛行が21日、和歌山県内で初めて串本町潮岬の望楼の芝で行われ、有人での初飛行が成功した。
約600人の観客が見守る中、1人を乗せ最大40㍍まで上昇した機体は、319㍍の距離を時速約20㌔で3分ほどかけてゆっくりと周回。初飛行を見届けた岸本周平知事は「きょうは第一歩。観光や防災で一日も早く実用運行したい」と期待した。
機体は一般社団法人MASC所有の「EHang(イーハン)216」。幅5・75㍍、全高1・93㍍、最大積載重量は220㌔。最高高度は500㍍、最高速度は時速130㌔㍍。
実証飛行は2回実施し、1回目は無人で2回目は検査員を乗せて行った。機体はあらかじめ設定されたルートを自動飛行。垂直に20㍍上昇した後飛行し、ホバリングで方向転換して高度を40㍍に上げながら進んだ。検査員は離着時の振動ややノイズなどを確認した。
空飛ぶクルマの県内実用化に向け、県は総合重工業の㈱IHI(東京都)、建設コンサルタントの㈱長大(同)、南海電気鉄道㈱(大阪市)の3社と連携協定を締結している。