孔子文化や伝統工芸紹介 山東省の物産展
和歌山県と中国・山東省が友好提携40周年を迎えた2024年の掉尾を飾る記念の物産展「山東のおもてなし 山東の味わい 2024和歌山県品評会」が7日、南海電鉄和歌山市駅前広場で開かれた。同省のメディアグループ「大衆報業集団」と省人民対外友好協会が主催し、同省の文化や伝統工芸、観光情報などを紹介、販売するブースが並び、訪れた市民らでにぎわった。
物産展の開催に合わせ、大衆報業集団から虞凱副総編集長、劉江波新メディア研究員院長ら、山東省政府から許明波中国共産党山東省委員会宣伝部理論二処処長ら総勢6人が来和。同日午前11時から行われたオープニング式典には、県の岡澤利彦国際担当参事、在大阪中国総領事館の方煒副総領事、県日中友好協会の中拓哉会長、和歌山新報社の津村周社長も出席し、テープカットで開幕を祝った。
大衆報業集団は、山東省で最も歴史が長く、地域的影響力を持つメディアグループ。式典のあいさつで虞副総編集長は「ニュースメディアは日中間の交流とコミュニケーションの重要な架け橋であり、友情と相互信頼を深める重要な絆だ。山東省と和歌山県の密接な関係発展の重要な証人であり、記録者であり、推進者であると思う」と述べ、物産展を通じてより多くの日本人が山東省を知り、理解を深めること、実際の訪問につながることに期待を寄せた。
方煒副総領事は、これまでの両県省の協力の成果に言及した上で、40周年のことしは、岸本周平知事をはじめ両県省幹部の相互訪問、100人以上の青少年の交流が実施されたことを紹介し、「頻繁な人的往来、とりわけ青少年の交流は、両県省の今後ますますの友好関係の発展の確固とした基礎になる」とあいさつ。さらに、11月30日に日本から中国への旅行者のビザ免除が再開されたことを紹介し、中国への来訪を呼びかけた。
岡澤参事は、40年の友好提携の中で、行政が主導した経済や人的な交流などが多く行われてきたことに加え、「友好提携の中の和歌山県の自慢は、役所だけでなくて民間の人たちがたくさん参加していることだ」と話し、日中友好協会の活動や、大衆報業集団と和歌山新報社による情報発信の覚書締結などを紹介した。
物産展には、①孔子文化②文化グッズ③伝統工芸体験④伝統衣装⑤山東省観光情報紹介⑥パンダ情報――の6ブースが設けられた。
山東省曲阜に生まれ、中国文化の源流ともいえる儒家の思想を創始した孔子については、絹本の『論語』などを展示して紹介。琉璃や陶磁器などの工芸品、馬面スカートやチャイナドレス、漢服などの伝統衣装が並び、観光地の写真パネルも飾られ、拓本などの文化体験コーナーもあった。
来場した市民や駅利用者らは、山東省のさまざまな魅力を体験し、買い物を楽しみ、日本語版の観光情報のパンフレットを持ち帰るなどしていた。大衆報業集団のインタビューを受ける来場者の姿も見られた。