事故に注意を 東署で「かかし警察官」が啓発
2024年もあと10日あまり。年末にかけて交通事故や犯罪が増える恐れがあることから、和歌山市栗栖の和歌山東署1階総合案内付近では、警察官の格好をした「かかし」が警戒を呼びかけている。制作者の中出光男さん(75)によると、かかしは「詐欺や交通事故が多いから、みんな気を付けてね」と言っているという。
かかしは、和歌山市の小倉地区で行われた「かかしコンテスト」に合わせて作られたもの。
警察官にしたきっかけは、光男さんの長男・健志さん(47)の「詐欺とか事故とか暗いニュースばかり」という言葉だった。健志さんは障害があり、視線入力装置で光男さんと母親の和子さん(75)にそう伝えた。
光男さんによると、健志さんはこれまで多くの人に助けられてきたことから、誰かの役に立ちたいと思う気持ちが強くなったという。かかしは、健志さんの優しさと健志さんの周りにいる人たちの優しさから生まれたもの。
光男さんは同市布施屋のデイサービス施設「はっぴー&はーとⅢ」の施設長をしており、かかしは施設利用者やスタッフ15人で制作。身長は1・7㍍。コンテスト後、光男さんが健志さんの思いを受けて、同署へ展示を依頼した。
当初のかかしは黒い服装だったが、同署では本物の警察官の制服を着用させて展示。年末まで同署で案内や啓発を続け、その後は、同市吐前のグループホーム施設「ふるさと」付近などでの展示を考えているという。