尾花市長が20歳を祝福 重度障害者「愛の訪問」
和歌山市は本年度に20歳を迎える重度の障害のある人に祝いの品を届け、本人や家族をねぎらう「愛の訪問」を実施。19日、尾花正啓市長が対象者の一人、中野寛生さん(20)の自宅を訪れ、プレゼントを手渡した。
12月3日から9日までの障害者週間の関連事業で、身体障害者手帳1、2級、療育手帳A1、A2の交付を受けている在宅の人に対し毎年行っている取り組み。本年度の対象者は15人。
中野さんはダウン症で、紀北支援学校を卒業し、現在は同市和田のつわぶき授産工場(就労継続支援B型)で働いている。
この日は尾花市長と、市障害児者父母の会の会長で社会福祉法人つわぶき会の岩橋正悟理事長と職員らが自宅を訪問。祝い品のタオルセットが手渡されると、中野さんはすぐに包みを開けにっこり。
尾花市長が「仕事は楽しい?」と聞くと「楽しい」と笑顔で答えた。
中野さんは月曜日から金曜日の午前8時45分から午後5時まで、スポンジやボディタオルを折って袋に詰める仕事などをしている。
同工場職員によると、中野さんは穏やかでいつもニコニコしている。集中力があり、仕事が早く職場で欠かせない存在で、休憩時間には周りに人が集まっているという。
母のみゆきさん(52)は「毎日休まず楽しそうに行っているので安心」と話す。
テレビドラマの「相棒」を見るのが好きで、時間があるとひとりで片男波を散歩するという。20歳になってやってみたいことについては「スマホが欲しい」と笑顔で話した。