高校生にエール パリ五輪レスリングメダリストら

2024年パリオリンピックのレスリングフリースタイル74㌔級で銀メダルを獲得した高谷大地選手(30)と、86㌔級で7位入賞を果たした石黒隼士選手(25)が23日、県立和歌山工業高校と和歌山北高校を訪れ、講演会と実技指導を行った。
自衛隊体育学校に所属する、京都出身の高谷選手と東京出身の石黒選手はレスリングの普及を目指し、同体育学校の監督であり、和歌山市出身の湯元進一監督(40)と共に訪問した。
和歌山工業高校では1年生360人とレスリング、ラグビー部の生徒を対象に、両選手と湯元監督がそれぞれ講演した他、3人のトークショーと生徒を交えての実践が行われた。
実践では、「タックルを受けたい」とラグビー部の生徒が志願しマットへ。生徒は高谷選手のタックルを受けると、衝撃で体はくの字になり、勢いよく後方に飛ばされた。タックルを受けた1年の瀧川雄景さんは「低い所から来て吹っ飛んだ。すごい。ラグビーでは低さと速さが重要なので参考にしたい」と話した。
レスリング部も両選手からタックルや投げを受けたり、仕掛けたりして世界レベルの力を体験した。石黒選手から正面タックルを受けた、レスリング部の2年生、武一響生さんは「マットがずれるくらい力強くて前に出る力が伝わった。練習して自分の技に取り入れたい」と話した。
湯元監督は、同校レスリング部出身でロンドンオリンピックで銅メダルを獲得。講演で「夢や目標を堂々と公言すれば、周りの人が応援して導いてくれる。自信をつけて」と話し、高谷選手は「今しかできないことをしてほしい。経験して、良し悪しを自分で決めて進みたい道へ行ってほしい」と伝えた。
石黒選手は、「3年後は心の底からメダルを取ると言えるよう、練習をして自信をつけたい」とオリンピックに向けての意欲を話し、「練習や努力の積み重ねが自信になる。練習の方向性が正しければ短期間で成長ができる。何事も短くてもいいから本気で頑張って人生に生かしてほしい」と生徒にエールを送った。
生徒から質問を受ける場面もあり「好きなゲームは何ですか」「彼女はいますか」との質問に、高谷選手は「モンストやパズドラで遊んでいます」、石黒選手は「にゃんこ大戦争です。彼女はいません」と笑顔で答え、和やかに生徒と交流した。