3年間の集大成 市高デザイン表現科卒業展
和歌山市六十谷の市立和歌山高校デザイン表現科の3年生らによる「卒業制作展・市高展」が27日まで、同市小松原通の県民文化会館1階展示室で開かれている。
大展示室では3年生37人の個人作品を展示。「アートのチカラ デザインのチカラ」のテーマで、1年間かけて自画像やイラスト、絵画、立体造形など、それぞれの世界観を自由に表現した。個性あふれる空間が広がっている。
川野羽月さんの作品「唯一の光」は、色鉛筆とアクリル絵の具を使い、洋館の窓辺で物思いにふける赤い髪の女性を描いたもの。川野さんは「絵を通して自分の好きなものを伝えるということをかなえられた。クラスの全員、絵が好きでたくさん刺激をもらった。めちゃくちゃ楽しい3年間でした」と振り返った。
モネやミュシャなどの画家の名画の描き方を取り入れて油絵を描いたという高島暖乃香さんは、「昔の名画は時代も国も違うのに、雰囲気のまとまりがあり、人を引き付ける力がある。その魅力を知ってもらえたら」と話した。
3年生らが、アートの力で人を励ましたいと1000個の紙飛行機を天井につるして作ったグループ作品や、新聞広告の形式で社会問題を訴える意見広告、映像やアニメーション作品の他、1、2年生による力作も並ぶ。美術部、写真部、書道部による「市高展」も同時開催している。
会場を訪れた阿形博司市教育長は、「毎年楽しみに見に来ている。生徒一人ひとりがテーマを決めて一生懸命に取り組み、学科名の通りそれぞれが表現しているところがすごい」と話していた。
午前9時半から午後4時半(最終日は正午)まで。