年に1度の縁起酒 中野BCが「立春絞り」出荷

出来上がったばかりの「立春朝搾り」を手に武田杜氏
出来上がったばかりの「立春朝搾り」を手に武田杜氏

立春の朝に搾ったばかりの新酒をその日のうちに出荷する「立春朝搾り」が3日、和歌山県海南市藤白の中野BC㈱(中野幸治代表取締役社長)で行われ、無病息災や商売繁盛を祈願した瓶詰めしたばかりの縁起酒が県内外へ出荷された。

「立春朝搾り」は、毎年立春の日に新酒を搾り瓶詰めし、神主のお祓いを受け、その日のうちに出荷する、日本名門酒会が主催する恒例行事。ことしで28年目を迎え、35都道府県41蔵元が参加した。

フレッシュな香りと新酒ならではの濃厚さが楽しめ、さらに、立春の日のみの限定酒で加盟店でしか購入できない希少な味わい。

同日、早朝から武田博文杜氏(54)をはじめ、蔵人らが純米吟醸「超久」のもろみから新酒(生原酒)を4、5時間かけて搾り、約4000本(720㍉㍑瓶)に瓶詰めを行った。

「令和七年乙巳二月三日」の限定ラベルを貼り、敷地内の稲荷の前で藤白神社の神主による祈祷(きとう)が行われ、新酒を引き取りに来た県内外の酒販店27店に出荷された。

武田杜氏は「昨夏の暑さの影響で米が硬く溶けにくいと思ったが、酸もしっかり出て風味も感じられる良い仕上がりになった。年に一度きりのめでたいお酒、おでんのお供にお勧めです。一年間健康で過ごしてもらえたら」と話している。

県内外の百貨店や酒販店、同社の売店などでも販売される。