居合、よさこいで交流 フランスの高校生ら

手本に習い、フランスの高校生がよさこい踊りを楽しんだ
手本に習い、フランスの高校生がよさこい踊りを楽しんだ
凛とした空気の中、居合の演武も
凛とした空気の中、居合の演武も

フランスのトゥーロン市の高校生ら24人が和歌山市を訪れ、23日に加太中学校で、よさこい踊りを体験するなど地元の団体と交流した。加太との交流は2020年に始まり、7回目。コロナ禍でもオンラインで同中学校の生徒たちと情報交換するなど、結び付きを深めてきた。

訪問したのはジョン・エカー高校の生徒と、同高の日本語教師・高島務さん(65)。高島さんが和歌山市出身であることが縁で、交流がスタート。今回は約2週間の教育旅行の日程に盛り込み、学生たちは加太の青少年国際交流センターに宿泊した。

体育館で開かれた交流会には、同市の居合道教室「水鏡館」、加太を拠点に活動するよさこいチーム「絆葵(つなぎ)」から、計12人が参加。

居合では、教室のメンバーが英語で紹介しながら基本の型を披露。緊張感のある空気の中、学生たちは、刀を振るう動きや、静かに刀を収める所作にくぎ付けになっていた。

よさこい演舞では、踊り子たちが笑顔で力強いパフォーマンスを披露。学生たちも指導を受けながら、鳴子を手に見よう見まねで踊った。音楽に乗せて練習を重ねるうちに体で覚え、すぐに上達。体育館は熱気にあふれ、皆、爽やかな汗を流していた。

フランスで35年暮らす高島さんによると、トゥーロン市はフランス南東部に位置し、地中海に面する自然豊かな街。主要な観光地から離れているため、旅の目的地ではなく「通過点」となり、和歌山市とも共通する部分が多いという。

学生たちには、地域の人とのふれあいを大切にその地の良さを知ってもらおうと、今回の日本訪問では、島根県出雲市、大阪府阪南市などで交流。高島さんは「大都市を巡るだけで、その国を見た気分になっていることが多い。本当のいい日本を知るためにも、地元の人と会うことが大事。田舎といわれるようなまちにこそ、魅力ある自然やおいしいものがある。お互い理解を深め、協力しながら地元の発展につながればうれしい」と話していた。