名字対決「佐藤」に軍配 「鈴木」と野球で交流

円陣を組み士気を高める鈴木チーム(海南市観光協会提供)
円陣を組み士気を高める鈴木チーム(海南市観光協会提供)

全国で最も多い名字で約200万人いるとされる「佐藤さん」と、約180万人で2番目の「鈴木さん」による草野球大会が9日、栃木県佐野市の野球場で開かれた。名字のプライドを懸けた戦いは4対2で佐藤姓に軍配が上がった。

佐野市が定める「佐藤の日(3月10日)」に合わせて企画され、昨年11月に和歌山県海南市で開かれた「鈴木サミット」に、2020年に結成の「佐藤の会」が参加するなどの交流もあり実現した。

全国から野球ができる佐藤さんと鈴木さんの参加者を募集したところ、北は北海道から南は兵庫県まで、佐藤チームは47人、鈴木チームは43人の応募があり、甲子園出場経験者など各15人を選出。球場には、全国から約600人以上の観客が集まった。

両チームの監督は、元プロ野球選手G・G・佐藤さんと、イチロー(鈴木一朗)さんのものまねでおなじみの芸人、ニッチローさんが務め、鈴木姓のルーツとされる海南市からは、市や市観光協会から6人と同市マスコットキャラクターの海ニャンが応援に駆け付けた。

始球式は、鈴木姓のルーツである海南市藤白神社の西岡良徳宮司が鈴木姓側のピッチャーを務め、バッターの佐野市のキャラクターさのまるに投げた。

試合は7回制で実施。初回に佐藤チームに先制されるも、鈴木チームは4回に2点を返して逆転。しかし、直後に2点を許し、6回にも1点を追加されて敗れた。

応援団の海南市観光協会の柳瀬充男事務局長によると、佐藤姓を応援する地元の高校生の吹奏楽演奏もあり鈴木姓にとってアウェー感はあったが、終始歓迎ムードだったという。「球場が一体となって両チームを応援していた。交流が続いていけば」と話した。

佐藤の会のメンバーは「野球はみんなで盛り上がれるスポーツだと改めて感じた。今後もイベントを開催していきたい」と話した。