丹羽が粘投も反撃及ばず 市和歌山が横浜に惜敗

好投した市和歌山の2番手・丹羽
好投した市和歌山の2番手・丹羽

第97回選抜高校野球大会は2日目の19日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で1回戦が行われ、第2試合で市和歌山が横浜(神奈川)に2―4で敗れた。序盤に失点した市和歌山は中盤の反撃で点差を縮めたが、後半は息詰まる投手戦となり、逆転することはできなかった。

【1回戦】

横浜
市和歌山

〔横〕織田、奥村頼―駒橋〔市〕土井、丹羽―川邉▽三塁打=奥村頼(横)▽二塁打=阿部葉(横)

2点目を返す適時打を放った辻丸
2点目を返す適時打を放った辻丸

市和歌山の先発はは土井。1回表の横浜の攻撃、一塁手・井上のファンブルで一番打者の出塁を許すと、盗塁と捕手・川邉の悪送球、二塁手・有本の野選とミスが重なり、先制を許した。2回表は2死から2四球と二塁打で満塁とされ、右適時打でさらに2点を奪われた。

3回表は、1死満塁のピンチで土井から継投した丹羽が後続を抑えたが、4回表は死球の走者が右適時三塁打でかえり、4点差となった。

反撃の好機を迎えたのは4回裏。石山と川邉の連続安打で2死一、三塁とすると、相手投手の暴投による振り逃げ出塁の間に石山が生還した。5回裏には、2死一、二塁のチャンスで2番・辻丸が中適時打を放ち、2点目を返した。

その後は両チーム投手の好投で無得点が続いた。市和歌山の2番手・丹羽は9回表の横浜の攻撃を三者凡退で抑え、味方の最後の攻撃につないだが、6回から登板した横浜のエース奥村頼は最後まで安打を許さず、市和歌山は点差を詰められなかった。

試合後、半田真一監督は「後半は理想の展開になってきただけに、何とかしたいと思っていたが、交代した奥村投手に糸口をつかむことができなかった」と悔しさをにじませた。序盤で投手を土井から丹羽に交代したことについては「相手の打線を考え、このままいってもずるずるといくと思って、思い切って変えた。公式戦の経験がなかったので不安もあったが、よく粘って思い切って投球できていた。苦しい場面でもしっかりと抑えられたことで、次のステージにもつながる貴重な経験ができた」と話した。

川邉謙信主将は、ミスで先制された場面について「ミスはあり得る。開き直って、『序盤だから焦らんとこね』と声かけして、一球一球落ち着きながらやった」と話し、試合を振り返り「素晴らしいチームと試合ができたのはすごく良い経験になったし、どういう状況でも食らいついていかないといけないという気持ちの部分を学べた。今回の負けから学び、夏は必死に食らいついていく」と次を見据えていた。