「上質」の和歌山ゾーン 万博の関西パビリオンお披露目

和歌山ゾーンを見学する来場者
和歌山ゾーンを見学する来場者

大阪・関西万博(4月13日~、大阪市・夢洲)の開幕まで3週間となった23日、関西広域連合が設置する「関西パビリオン」の完成記念お披露目会が行われた。和歌山を含む8府県が地域の魅力を発信する出展ゾーンを設け、その展示やアトラクションの内容が関係者や報道機関に公開された。

映像のタワー「トーテム」が立ち並ぶ
映像のタワー「トーテム」が立ち並ぶ

関西パビリオンは「いのち輝く関西悠久の歴史と現在」をテーマとし、大関西広場と名付けられた円形のエントランスゾーンの周囲を囲むように各府県のゾーンが並んでいる。

「和歌山ゾーン」は「和歌山百景―霊性の大地―」をテーマ、「〝上質〟のつまった和歌山」をコンセプトとする。異なる宗教や文化が融合し、分け隔てなく共存してきた和歌山の精神文化に育まれた産品や伝統技法などを使い、上質にこだわった空間で表現。東京大学先端科学技術研究センター特任准教授の吉本英樹さん(和歌山市出身)が総合ディレクターを務めている。

会場中央には、紀伊山地の巨木を思わせる高さ4㍍、幅60㌢の映像ディスプレー「トーテム」が8本並び、海南市の伝統工芸、紀州漆器による美しい塗りが施されている。

トーテムに映し出される映像は、イギリス・ロンドンを拠点に活躍するビジュアルアーティストのYusuke Murakami(村上裕佑)さんが手掛けており、和歌山の自然、神話や歴史などにちなむシーン、CGアニメーションなどが融合した内容となっている。

会場奥にはカウンターバーを設置。天板や椅子には紀州材を用い、カウンター内の壁には、多彩な花や野草を使ったアート作品が飾られている。この作品は、県出身のフラワーアーティスト・柊早苗さんが県内の小学生を指導して行ったワークショップで作られた押し花を使い、アートに仕上げた。

万博の会期中は、アジアを代表するトップパティシエ・加藤峰子さんが和歌山の豊かな食材を使ってプロデュースしたスイーツのセットなどが提供される。

他にも、新宮市の版画作家・番留京子さんの壁画、パイル織の椅子、高野組子細工で装飾された展示スペースなど、和歌山の上質が散りばめられている。

トーテムに囲まれた中央のステージでは、会期中はほぼ週替わりで県内のさまざまな文化芸術、伝統産業などの活動に関する展示やパフォーマンスを行い、県民参加型のゾーンとなっている。

お披露目会には、岸本周平知事をはじめ各府県の知事、市長らが出席し、関西パビリオンの完成を喜び合った。各府県がゾーンの概要をアピールした後、出席者は館内の展示やアトラクションを回り、楽しんだ。

和歌山県の中瀬雅夫万博推進担当参事は「県と県民が一体となって作り上げるのが和歌山ゾーンならではの一番の特色。訪れる人の予想を超えるものにしていきたい。期待してご来場ください」と話していた。

関西パビリオンの外観
関西パビリオンの外観