和歌山ゾーン15万人突破 大阪・関西万博

大阪・関西万博の関西パビリオン内に設置されている「和歌山ゾーン」は10日、来場者15万人を突破した。4月13日の開幕から2カ月を待たず、10月13日までの会期中の集客目標30万人の半分に到達する想定以上の人気。コンセプトの「〝上質〟のつまった和歌山」が国内外に広く発信されており、今後の集客にも期待が高まる。
和歌山ゾーンは、国際的に活躍するデザインエンジニア、東京大学先端科学技術研究センター特任准教授の吉本英樹さん(和歌山市出身)が総合ディレクターを務め、「和歌山百景―霊性の大地―」をテーマとする。
展示は、映像・フード・ステージの三つのコンテンツで構成。会場には、海南市伝統の紀州漆器の塗りを施した映像ディスプレーのタワー「トーテム」(高さ4㍍30㌢、幅60㌢)が8本そびえ、英国ロンドンを拠点に活躍するビジュアルアーティストのYusuke Murakami(村上裕佑)さんが制作した映像が映されている。
フードの提供は関西パビリオン内で和歌山が唯一。アジアを代表するトップパティシエの加藤峰子さんがプロデュースし、県内の老舗和菓子店や果物農家らが協力した菓子中心のメニュー「Wakayamaの森と恵みのペアリングセット」を、紀州桐箪笥の技術による器で提供し、紀州材の杉で作られた上質のカウンターバーで味わえるのが人気を呼んでいる。
トーテムに囲まれたステージでは、県内各地の祭りや伝統芸能、工芸品などの展示、パフォーマンスを原則週替わりで行っており、公募で選ばれた県内のさまざまな団体、企業なども参加している。
県万博推進課によると、和歌山ゾーンの来場者数は、開幕直後の4月は一日平均2500人ほどで推移していたが、万博全体の人気の高まりも受け、5月は2800人から多い日には3000人を超えるまで増加。会期の3分の1で早くも目標数の半分を達成する、うれしい想定外となった。
15万人目の来場者は、大阪市都島区の会社員、濱田光広さん(45)と妻の典子さん(43)、息子の光希ちゃん(3)の家族3人。毎年「あら川の桃」を買いに紀の川市を訪れるなど、和歌山が大好き。光広さんは「先週、白浜のアドベンチャーワールドにも行ったところで、和歌山にめちゃくちゃ縁がありますね。びっくりしました」と満面の笑みを見せた。
3人は「15万人達成」の記念ボード、県PRキャラクター「きいちゃん」と一緒に記念撮影し、記念品としてきいちゃんのぬいぐるみ、ピンバッジ、梅酒、フードコンテンツの試食体験を贈られた。
梅酒を見た典子さんは「めっちゃうれしい。和歌山の梅を買って、ジュースを漬けたところなんです。きょうも、以前に漬けたジュースを持ってきています」と喜び、光希ちゃんも「プレゼントをもらってうれしい」と話していた。
同課の湊盛彦主査は「想定よりかなり早く15万人を達成でき、ありがたい。順調にいけば、目標を超える人々に来場していただけると期待している。来場者には和歌山に行ったことがない人も多く、和歌山ゾーンが魅力を知ってもらうきっかけとなっている。実際に和歌山に来ていただきたい」と話し、さらなる来場を呼びかけた。