和歌山県に津波警報 沿岸部に避難指示

和歌山市災害対策本部で情報収集する市の職員ら
和歌山市災害対策本部で情報収集する市の職員ら

日本時間30日午前8時25分ごろにロシア・カムチャツカ半島付近で大地震(推定される地震の規模=マグニチュード8・7)があり、気象庁は同9時40分に北海道から紀伊半島にかけての太平洋側沿岸と伊豆・小笠原諸島に津波警報を発表した。

和歌山市は9時40分、県内への津波警報の発表とともに、同市八番丁の消防庁舎6階に市災害対策本部を設置した。

10時40分、同本部で尾花正啓市長を本部長とする災害対策本部会議が開かれ、危機管理局や産業交流局、総務局などの多くの担当局長らが状況を報告した。教育関連施設や海水浴場などの状況を報告し、沿岸部などを中心に津波への警戒や、避難の呼びかけを徹底することなどを確認した。

市は河西橋の通行止めを決めた他、沿岸部33地区8万8311世帯17万5062人に避難指示を発令。加太、磯ノ浦、片男波、浜の宮の各海水浴場、浪早ビーチの閉鎖を決めた。

引き続き、津波などの状況変化を確認しながら情報収集に努め、連携して対策に当たっていく。

津波警報の発表を受け、県内各地の自治体では避難所を開設。防災無線やメールなどで、沿岸部から離れるよう呼びかけた。


避難所となった海南市総合体育館
避難所となった海南市総合体育館

海南市では、避難所となった大野中の総合体育館には、午前11時半の時点で、高齢者や家族連れら約30人が身を寄せた。時間の経過とともに続々と住民らが集まり、不安げな様子で過ごしていた。

海南市に近い和歌山市内に住み、おば(87)と避難してきた女性(70)は「普段はここまで車で10分のところ、混雑していて20分かかった。家ではとても不安なので、避難所を開設してくれてありがたい。ここは高台で海抜20㍍と聞き、安心です」と話していた。