海でつながる「ホノルル」と「和歌山」

前号では、市民と共につくり上げられる世界最大級のランナーの祭典として知られる「ホノルルマラソン」を取り上げた。開催される時期、街にはクリスマスツリーが飾られ、常夏の島をさらに華やかにしてくれる。
アメリカではクリスマスを家族と過ごすことが一般的。12月中旬から年末年始にかけて休暇を取るケースが多く、11月末の感謝祭から年末年始にかけて、ホリデーシーズンとして盛り上がる。
これまで25週にわたり、ホノルル市の魅力と、和歌山県との歴史やつながりを取り上げてきた。今回の渡航で印象的であった、ライドシェアドライバーとの会話を紹介し、ハワイ特集を終えたい。
ホノルル市内を走るライドシェアの車内で、ドライバーのキース氏に「ワイキキビーチは綺麗ですね」と筆者が問いかけた。「あなたは日本人かな。日本にもワイキキに似たすてきなビーチがあるじゃないか」という。聞けば彼の祖母は沖縄の出身で何度か日本を訪れたことがあり、親しみを感じていると話す。
「そのビーチは日本のどこにあるの」と尋ねると「確か大阪の南の方にあって、白い砂浜がワイキキにそっくりなんだ。知らない?」とうれしそうに答えてくれた。もしやと思い「シラハマといいませんでしたか」と聞き返すと「きっとそれだ」と和歌山の魅力を語ってくれた。彼から見た和歌山は、街が綺麗で人が親切、大都市の近くに位置するリゾート地という印象らしい。
遠く離れた地域でありながらも、歴史や文化をたどれば海でつながるさまざまなエピソードに溢れている。ホノルルを訪れる機会があれば、和歌山との関係を思い出し、親しみをもって街の魅力にふれてほしい。(次田尚弘/ホノルル)