紀北農芸高×ロカリスト 手作りジャム販売

なんば駅の利用者にジャムを勧める生徒たち(ロカリスト提供)
なんば駅の利用者にジャムを勧める生徒たち(ロカリスト提供)

㈱紀陽銀行(和歌山市本町、原口裕之頭取)が出資し連携協定を締結する地域商社の㈱ロカリスト(同市中之島、柿谷真樹人代表取締役)は、県立紀北農芸高校とコラボレーション。同校生産流通課3年生11人が、3日間にわたって南海電鉄なんば駅2階中央改札口外の「The Localist」で販売実習を行った。

同行はロカリストと「地方創生に関する包括連携協定」を締結。ロカリストは新規就農者・県への移住者・地域の障害者就労支援施設などとのコラボを通じて生産者を支援し、地域ブランドの価値向上に取り組んでいる。

今回、生徒たちは同科の授業の一環で製造した無添加の手作りジャム5種(柿ゆず、柿生姜、清見マーマレード、桃、梅)をロカリストの直営店舗で販売し、県産フルーツをPRした。

販売は午前10時に開始。これまでも販売実習の経験があった生徒たちだが、大勢が足早に行き交う、なんば駅での販売に「誰も立ち止まってくれないし、話も聞いてもらえない」「買ってもらうの難しい」と1日目は戸惑ったという。皆でどうやったら商品を買ってもらえるのかと知恵を出し合い、2日目からは法被を着てのぼりを立て、インバウンド客向けに目立つように英語表記のポップも設置した。

人気の「あらかわの桃」も同店で販売されていたため、生徒たちは利用客に興味を持ってもらおうと「あら川の桃を使ったジャムです」「僕たちが心を込めて作ったんです」と声掛け。試食をしてから購入できるとあって、利用客らは「しっかりとフルーツ感があってトロっとしておいしい」「おいしいから二つ買います」などと次々と購入していき、売れ行きも順調となった。

実習を終え、生徒たちは「なんば駅ってすごい。売るのは難しかったけど楽しかった」と充実感を得た様子だった。

ロカリスト企画営業部の三角拓さんは「販売実習を通して、購買意欲をかきたてるような声掛けなど、さまざまな気付きを得られたのでは」、同校の野田真輝教諭は「販売促進活動として何をしなければならないのかを自分たちで考え、販売の難しさを肌で感じて学んでくれた。みんなが、やり切った感じでとてもいい経験になったと思う」と話していた。

※三角拓さんの角は下に突き抜ける角です