寺杣さん全国水泳で三冠 34年ぶり県新記録も

8月に愛知県で開かれた全国の小学生トップスイマーが競う「第40回全国少年少女水泳競技大会」で、パルポートワカヤマに通う小学6年生、寺杣優里さん(12)が、50㍍と100㍍自由形、50㍍バタフライでそれぞれ優勝。100㍍自由形では、1分00秒42で34年ぶりとなる和歌山県学童新記録を樹立した。女子4×50㍍リレーでもパルポート紀の川の4人が県新記録で優勝した。
通称とびうお杯と呼ばれる同大会は、指定タイムをクリアした選手が出場する。寺杣さんは得意とする3種目で出場を決め、全て予選を1位通過し優勝した。
年長から習い事として水泳を始めた。「体を動かせる能力が高く、全国を目指せる」とコーチの勧めもあり、小学3年生から本格的に選手コースで泳ぐようになった。
寺杣さんは体を浮かせる能力に長け、抵抗が少なく速く泳げるのが強み。両足をそろえて水中を進むドルフィンキックにも自信がある。
昨年は、同大会で思うような結果は残せずに悔しい思いをした。ほぼ毎日3000㍍を泳ぎ、背中を浮かせるように腹部を意識し、飛び込みの際の足のばらつきにも気を付け、懸命に練習に取り組んできた。
最も得意とするのは、自己ベストタイム27秒46の50㍍自由形。とびうお杯では「絶対優勝するぞ」と強い気持ちで決勝に臨んだ。「もうちょっとで抜かされそうだったけれど、ゴールを目指して懸命に泳いだ」と振り返り、27秒71でゴール。掲示板を見て優勝が分かった時は「期待されていたのもあり、1位だったんだ」と喜びと同時に安堵(あんど)の気持ちが大きかったという。
100㍍自由形では、これまで後半に速度が落ちることが課題だったものの「1位を取ると、最後までモチベーションが高く持てて練習どおりの力が出せた。うれしい」と話し、0秒02上回る34年ぶりの県新記録を出した。
50㍍バタフライも29秒27で県学童新記録を樹立した。現在は、来春のジュニアオリンピックの表彰台を目指し、短距離だけでなく中距離でも上位を目指せるフォームを取り入れるため、湯川和昭コーチ指導のもと、練習に励んでいる。
将来の夢は「目標とする水泳選手の池江璃花子さんと同じ舞台で泳ぎたい。3年後のオリンピック出場を目指す」と笑顔。「これからも頑張るので、いっぱい応援してください」と話している。