夢二原作のオペラ初演 瑞樹比美香さんコンサート

和歌山県海南市のソプラノ歌手、瑞樹比美香さんのコンサート「紀州から世界へ~音楽遺産の響き~」が27日午後1時から、和歌山市七番丁の和歌山城ホール小ホールで開かれる。美人画や文筆など幅広く活躍した大正期を代表する文化人、竹久夢二の童話を原作とする新作オペラ「クリスマスの贈物」の初演をはじめ、和歌山ゆかりの楽曲、南葵音楽文庫にまつわる作品などを歌う。
瑞樹さんは千葉県出身、神奈川県育ちで、15歳から声楽を学び、17歳でイタリアの歌劇場に出演以降、ベルリンやシドニーなど国内外で活躍。紀州徳川家の菩提寺、長保寺(海南市下津町)の法嗣(ほっし)と結婚し、和歌山を拠点に活動している。
オペラ「クリスマスの贈物」は、瑞樹さんのために作曲家の小内將人さんが手がけた作品で、コンサートはこの初演のために2年前の冬から計画してきた。
プログラムには同作の他、和歌山の作曲家、森川隆之さん、向山精二さんの楽曲、道成寺(日高川町)に伝わる御詠歌をクラシックバージョンにした作品などが並ぶ。紀州徳川家16代当主・徳川頼貞が収集した貴重な音楽コレクション「南葵音楽文庫」から、頼貞と親交があったオペラの巨匠プッチーニのアリアなども歌い上げる。
バイオリンの古久保有亜さん、ピアノの香川紀恵さんが共演する。
瑞樹さんは「和歌山が誇る歴史・文化の魅力を音楽によって全国、世界へ発信することが私の使命だと感じています。これまで和歌山でいただいたご縁と感謝の思いを、音楽にのせてお届けします」と話し、来場を呼びかけている。
チケットは前売り一般3000円(当日3500円)、小中高校生2000円。ウェブ予約や同ホールで取り扱っている。
問い合わせは主催のムジークストラッセ(℡080・6238・4745、メールmusicstrasse.classic@gmail.com)。