ドローン配送の実証実験 和歌山市が実施へ

実証実験への期待を話す尾花市長
実証実験への期待を話す尾花市長

和歌山市は23日、ドローンによる弁当配送の実証実験を、民間事業者が市の補助金活用事業で11月4日に実施すると発表した。落下リスクを踏まえた立入管理措置が不要の「レベル3・5」飛行により、人口集中地区(DID)を含むルートで行う全国初の事例となる。

レベル3・5は、補助者を配置しない目視外飛行で、機上カメラによる歩行者確認の実施などを条件に、第三者の立入管理措置を行わない飛行形態。従来はDID以外に限定されてきたが、今回初めて、DIDを含む実証実験が国に許可される見通しとなっている。

実験の実施主体は㈱NEXT DELIVERY(山梨県)。地域や行政の課題解決に向け、先端技術などを活用した市内での実証実験を支援する、市スマートシティ実証実験サポート補助金を活用して行う。

飛行ルートは、DIDに位置する宇都宮病院(鳴神)を離着陸地点に、約4㌔離れた道の駅四季の郷公園(明王寺)まで遠隔操作で飛び、「置き配」の後、同病院へと戻る。

実験に使用するドローンは、1・7㍍×1・5㍍の大きさで、専用箱に最大5㌔㌘の荷物が入れられ、コーヒーなどの液体もこぼさずに運べるという。

レベル3・5は、機体やライセンスの条件などがより厳しいレベル4に比べて低コスト。生活圏で活用できれば、人手不足への対応などさまざまなメリットが期待される。

尾花正啓市長は23日の定例記者会見で、「人口集中地区から郊外への輸送は今後、非常に重要になる。防災などいろんな場面で汎用性高く役に立つ。実証実験が社会課題を解決していく初めになればと思っている」と期待を話した。