紀淡海峡を望む「洲本温泉」

洲本温泉の入口に位置する「大浜公園」
洲本温泉の入口に位置する「大浜公園」

前号では、搾乳から提供までのスピードが味を左右する「ご当地牛乳」の魅力に触れた。「御食国(みけつくに)」として食の宝庫である淡路島。今週は、紀淡海峡を望む風光明媚(めいび)な景観を見ながらそれらの食材に舌鼓し、旅人を癒やす「洲本温泉」を紹介したい。

洲本温泉は洲本市中心部のほど近くに位置する。海岸線に沿って大型の旅館やリゾートホテルが建ち並び、淡路島を代表する温泉地。京阪神はもちろん、四国方面からも多くの観光客が訪れ、紀淡海峡を望むオーシャンビューに魅了される。

主な泉質はアルカリ性単純温泉。2018年には新たな源泉から美肌効果が期待される温泉が開湯。他にも塩化物強塩泉や単純弱ラドン泉など、種類の異なる泉質が楽しめることも魅力の一つ。

温泉街の入り口にある「大浜公園」は、美しい白砂に松林が広がる海岸公園で、その非日常的な景観から宿でのステイを、さらに楽しみにしてくれる存在。洲本城に居城し、阿波・蜂須賀藩の城代家老であった稲田氏の祖先が「赤松」の姓を名乗っていたことから、浜辺に多くの松を植えたという。

樹齢100年になる松が100本程度現存。現在も有志の手によって植樹などが行われ、美しい景観が維持されている。大浜公園の近くには、洲本温泉を楽しめる足湯が開放されており、公園や市街地の散策後に立ち寄るのもおすすめ。

年末年始を控え、温泉地は活気があふれる季節。大都市圏からのアクセスに優れ、魅力的な食と景観、温泉に恵まれた地。大阪市内から約100㌔㍍、高速道路を利用し約2時間の距離は、和歌山県へのアクセスと大差はない。紀淡海峡で向かい合う両市は、似た環境でありながらもそれぞれの地域特性があり、それがまた魅力である。(次田尚弘/洲本市)