世界遺産継承へ連携教育 和歌山信愛大と県教委

和歌山県教育委員会と和歌山信愛大学(和歌山市住吉町、森田登志子学長)は2026年度から、世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の価値を学び、その継承を担う人材を育成するための連携教育を開始する。1年生の授業に世界遺産の学習を組み込む他、多くが教育関係に就職する同大の学生が、子どもたちへの世界遺産教育の推進役を担うことも目指す。
「紀伊山地の霊場と参詣道」は2004年の世界遺産登録から20年以上が経過し、参詣道の維持管理、保全と観光の両立、過疎化への対応などが課題となっており、次世代への教育が重要との観点から、県教委が同大に協力を要請し、昨年10月から協議を進めてきた。
連携教育では、同大の1年生前期の必修科目「世界の中の和歌山」と同後期の選択科目「郷土の自然」の中で同世界遺産に関する講義やフィールドワークを実施する。県教委は、専門家や職員を派遣して講義の一部を担当し、フィールドワークについては、現地との調整や必要な許諾の取得などのサポートを行う。
同大は19年4月に開学し、教育学部子ども教育学科で現在は267人の学生が学ぶ。小学校・幼稚園教諭免許、保育士資格の三つを同時に取得できる県内唯一の高等教育機関であり、昨春の卒業生の就職先は小学校が47%、幼保・福祉関係が34%と教育関係が大半を占める。和歌山への愛着が強い学生が多いことでも知られ、昨春までの3年間、卒業生の県内就職率は80%を超えている。
今回の連携を通して、学生が世界遺産の理解や保全意識を高め、国内外に情報発信していくことの他、将来の教員候補者として、子どもたちへの正確で分かりやすい世界遺産教育の担い手となり、持続的な文化継承などを推進することも目的としている。
連携教育の開始を前に24日、今西宏行県教育長が同大を訪問し、森田学長らと意見交換を行った。
今西教育長は「和歌山信愛大学の学生は、和歌山で役割を担いたいという思いを持ってくださっている。連携教育では世界遺産に実際に行って、まず感動してもらいたい。楽しませる仕組みはたくさん持っている」と話し、森田学長は「和歌山を愛している学生が数多く入学している。大学としても、和歌山に貢献していく人を送り出していきたい」と、地域に根差した人材育成への意欲を示した。

