松下幸之助など題材に 与儀さんが2冊を自費出版

「小説はライフワーク」と話す与儀さん
「小説はライフワーク」と話す与儀さん

作家活動をする和歌山市岩橋の与儀清安さんが、小説『松下幸之助の起業まで』と『ジハードの風―預言者ムハンマド・イブン・アブドゥッラーフのジハード的生涯』の2冊を学術研究出版から自費出版した。さまざまな資料や調査を基にフィクションとして書いた与儀さんは「いくつもの壁を乗り越えたからこそ成功を手に入れられるが、簡単なことではない。起業の苦しみを伝えられたら」と話している。

これまでに3冊を出版。2作目の『和佐富士は見た 松下幸之助の伝説的原点』では、パナソニック創始者で同市出身の松下幸之助が、父親が米相場で失敗して貧乏な暮らしの中、壊滅的な家庭崩壊の脆さをどう感じたかをつづった。「続きを読みたい」という読者の声を受けて続編を決意。岩出市のリフォーム会社に勤める傍ら、5年かけて2冊を完成させた。

松下が血のにじむような努力と忍耐を自らの糧とし、企業家としての偉大な実績を積む中で起業のきっかけとなったエピソードを感動的に表現した。生き様にじかにふれたいと同市和佐の生家跡で井戸や家の痕跡の調査も実施し、生きた形跡を探すなど丁寧な取材を心がけた。

『ジハードの風』では虐げられた貧しい人々に光を当てながら、イスラム教の創始者・ムハンマドの功績をつづった。図書館などでさまざまな文献を調べたが「内容や名前の表現がばらばらで史実をたどるのに苦労した」という。

与儀さんは「何度も行き詰まり、原稿を破っては試行錯誤した」と話し、「小説を書くのはライフワーク。書き上がった時は喜びもひとしおだが、苦労も大きい。あとは読者の判断に任せたい」と熱意を伝えていた。

電子書籍はともに660円で各社のインターネットサイトで販売中。オンデマンド印刷本は『起業まで』が1650円、『ジハードの風』が1760円だが売り切れの場合がある。問い合わせは同出版(℡079・222・5372)。