爽やかな酸味楽しんで 梅酒ヌーボー蔵出し

和歌山県海南市藤白の酒造会社中野BC㈱(中野幸治代表取締役社長)で11日、ボージョレ・ヌーボーのように新酒を楽しむ「梅酒ヌーボー」の蔵出しが始まった。

梅酒ヌーボーは、6月5日に漬け込んだ紀州南高梅をタンク内で熟成させる前に取り出して瓶詰めする新酒で、梅の酸味が効いたフレッシュな味わいが特長。製造はことしで11年目。

この日、梅酒の原酒を別タンクに移した後、約20万粒が入った高さ4・2㍍、直径2・6㍍のタンクから梅酒杜氏(とうじ)の山本佳昭さん(51)を含む9人の蔵人が専用棒を使い、梅の実をかき出す作業を行った。周囲は梅の甘酸っぱい香りに包まれた。

その後、1万8000㍑の梅酒ヌーボーの出来を見るため、蔵人は原酒が入ったタンク下部の蛇口からフラスコに注ぎ、味や香り、色合いなどを確かめた。ことしの梅酒ヌーボーは720㍉㍑瓶約8500本と1・8㍑瓶約2500本分が出来上がった。

山本さんは「梅の出来は花で決まる。ことしは花の咲き方も奇麗で時期も良かった。雨や日照時間、気温も最適で非常によくできた梅になった。梅のエキスが凝縮した梅らしさを感じてもらえる」と話した。「まずは、生(き)でそのままの味を感じてもらえたら」とPRしている。

720㍉㍑瓶1430円、1・8㍑瓶2200円。12月3日に販売解禁となり、主に県内のスーパーや近畿小売店に出荷する。

梅の実をかき出す梅酒杜氏の山本さん

梅の実をかき出す梅酒杜氏の山本さん