墨や筆で楽しく 書道資料館でワークショップ
「墨に親しむ」をテーマにしたワークショプがこのほど、和歌山市西汀丁の県書道資料館で開かれ、約20人が自然の草木で筆を作り、墨で現代アートを楽しんだ。
デジタル化が進み手書きで文字を書くことが少なくなる中、「書を楽しむ機会に」と企画した講座の第1回。4月に予定していたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で延期になっていた。今後も同館の理事や評議員を講師に、子どもから大人まで幅広く楽しめるさまざまな催しを企画したいという。
この日は「墨で遊ぶ、筆を楽しむ」と題し、同市の小川起石さんと川瀬玲舟さんが講師を担当。参加者は90㌢×120㌢ほどの大きさの紙に、ローラーやハケ、鳥の毛で作った筆などを使って墨で自由に表現。大胆な筆遣いでかすれやしぶきをつけるなど、イメージを膨らませながら墨を重ねていった。赤や青、金など5色を霧状にして吹き付けた後、それぞれが気に入った部分を切り取り、現代アートの作品にして額装。額に納まった瞬間、想像以上の出来栄えに、参加者からは「わぁ」と驚きと感動の声が上がった。
また、筆作りでは竹の先を金づちでたたいたり、枯れ草を10本ほど束ねたりして作業。完成した筆を使って、来年の干支(えと)「寅(とら)」を題材に、味わいのある線を楽しみながら思い思いに文字や絵を表現した。
和大付属小学校4年生の岡本惠津子さん(10)は「竹の筆を使うと二重になったり、太くなったりして、いつもとは違う字が書けて楽しかった」と笑顔だった。