特殊詐欺を防止 コンビニ店員2人に感謝状
特殊詐欺被害を未然に防いだとして、和歌山西署は25日、セブン-イレブン和歌山市駅前店(和歌山市杉ノ馬場)の店長、木下由美さん(57)と、店員の深田恵さん(40)に感謝状を贈った。
2人によると、3月30日午後0時40分ごろ、70代の男性が慌てた様子で入店し、レジにいた深田さんにプリペイドカードの置き場を尋ねた。深田さんが売り場に案内し、金額を聞くと「8万円」と答えたため、事務所にいた木下さんに特殊詐欺の疑いがあることを伝え、判断を仰いだ。
「声を掛けてあげて。もし何かあれば私が110番通報するから」との木下さんの言葉に背中を押された深田さんが男性に購入理由を聞くと、「8万円分買わないとパソコンが使えなくなる」と答えたことから特殊詐欺を確信し、木下さんが通報した。
同署によると、男性は同日正午ごろ、自宅でパソコンを操作中、ウイルスに感染したとの警告が表示された。記載のあった番号に電話をすると、中国人を名乗る片言の日本語を話す女性から8万円のプリペイドカードを購入するように指示されたという。
深田さんが「これは特殊詐欺ではないですか」と問い掛けると、男性は少し落ち着きを取り戻し、「僕が詐欺に遭うとは思わなかった」と話していたという。
同署で行われた贈呈式で川上和彦署長は2人に「声を掛け、止めていただき非常に助かった」と伝え、感謝状を手渡した。
木下さんは2020年10月にも同様の架空料金請求詐欺の被害を未然に防止し、同署から感謝状が贈られており、今回で2回目。この時の感謝状は同店の事務所に掲げているといい、常にスタッフらが意識を高めているという。木下さんは「未然に防げて良かった」と話し、深田さんは「こんなに身近にはびこっているんやなと驚いたが、微力ながら防止できて良かった」と安堵(あんど)の表情を見せた。