5月の県内倒産4件 負債額1億4000万円 

東京商工リサーチ和歌山支店がまとめた5月の和歌山県内の企業倒産件数(負債総額1000万円以上)は前年同月比1件増の4件、負債総額は同5000万円増の1億4000万円で、いずれも過去10年間の5月で2番目に少なかった。

主な倒産には、土木工事業の和永建設工業㈱(和歌山市、負債額1億円)があった。

4件を負債額別にみると、1億円以上5億円未満が1件、5000万円未満が3件。原因別では販売不振が3件、既往のしわ寄せが1件だった。

産業別ではサービス業他が2件、建設業、小売業が各1件。地域別では和歌山市、海南市、御坊市、有田郡で各1件。形態別では破産が3件、民事再生法が1件で、私的倒産の発生はなかった。

同社の分析では、ロシアのウクライナ侵攻から3カ月以上が経過し、燃料高騰による各種商品の値上げや円安進行、輸入に依存した資材調達の厳しさが増しており、コロナ禍前の経済水準に戻るには時間を要する状況。新型コロナ関連の各種資金支援策は倒産抑制に効果をもたらしているが、売上低下や借入金の膨張による過剰債務問題があり、企業の疲労感が見え始める中、息切れ倒産だけでなく事業継続を諦めて廃業を選択する企業の増加も懸念される。