バイオリンと朗読コラボ 寺下さんコンサート
和歌山市出身の国際的バイオリニスト・寺下真理子さんが奏でる音色と、作家でエッセイストの阿川佐和子さんの朗読がコラボレーションするコンサート「~恋を奏でるストラディヴァリウス~本と音の夏休み」が16日、同市七番丁の和歌山城ホール小ホールで開かれる。寺下さんは「音楽と朗読が合わさることで作品へのイマジネーションがより広がる。クラシック音楽に興味を持って、楽しく聴くきっかけになれば」と笑顔で呼び掛けている。
寺下さんは、音楽で元気を届けたいと新しいコンサートの形を模索する中で、「作曲家や曲の背景を知ることで、もっと楽しくクラシック音楽を聴いてもらえるのでは」と音楽と朗読のコラボを企画。朗読は、クラシック音楽に造詣が深く、作曲家や名曲にまつわる小説『恋する音楽小説』『マチルデの肖像』の著者でもある阿川さんに依頼した。2020年東京で初演し、今回で2回目。
寺下さんは「阿川さんが著書で描写する作曲家像は、とてもチャーミングで面白い」と魅力を話し、「お互いの世界観が化学反応し合うことで、唯一無二の空間ができ、より深く楽しめる」とコラボの醍醐味を語る。
第1部は、「朗読と音楽の饗宴~作曲家たちの恋文~」と題し、寺下さんと阿川さん、ピアニストの水野彰子さんが出演。名器ストラディバリウスで寺下さんが演奏を披露するのは、エドワード・エルガーが婚約記念として贈った愛のメロディー「愛の挨拶」をはじめ、ロベルト・シューマン「3つのロマンス作品22より第3番」など。
第2部は、親しみのある楽曲をセレクトした「愛を奏でる映画音楽の世界」。寺下さんが初共演するパーカッション奏者の山村誠一さんとアコーディオン奏者の田ノ岡三郎さんを迎え、モリコーネ「ニューシネマパラダイス」、アニメ映画「ハウルの動く城」の楽曲でもある「人生のメリーゴーランド」など、クラシックの王道とは一味違った楽曲も織り交ぜる。最後は、寺下さんが作曲を手掛けた「Home of spirits」を阿川さんらと共に披露する。
寺下さんは「朗読と演奏が合わさる、この瞬間でしか生まれない感動がある。私自身いつもと違う世界が見られて楽しい」と話し、新しいクラシック音楽の楽しみ方を故郷に届けたいという。
午後2時開演。全席自由席。チケットは一般4000円、大学生未満2000円(当日身分証明書持参で2000円キャッシュバック)。同ホールや県民文化会館、八木楽器岩出店などで販売している。
問い合わせは和歌山音楽愛好会フォルテ(℡073・422・4225)。