現場重視の岸本カラー 知事就任1カ月

岸本周平知事は17日、就任から1カ月を迎えた。和歌山県の取り組みを説明する従来の県政報告会に代えて、知事が各地を訪れて小規模な意見交換会を開き、地域住民の意見や要望を聞く取り組みを始め、県庁の若手職員とは昼食を交えた懇談会を開くなど、現場の声を重視する岸本県政のカラーを打ち出している。

同日の定例記者会見で岸本知事は、1カ月間の取り組みや所感を話した。

住民との意見交換会は、9日に田辺市の秋津地区、上芳養地区で開催。従来の県政報告会は参加人数が多く、県側からの説明の後に質疑応答を行う形式だったが、岸本知事は「私が住民の意見を聞く会に変えた。現場の声をできる限り聞くためには15~20人くらいが限度。小さな集会を開くことで、意見、要望、不満などニーズを拾い上げる方が効果があるのではないか」と意図を話した。

職員との懇談会は「おにぎりミーティング(OMTG)」と名付け、1回10人程度の職員が昼食を持ち寄って知事室に集まり、本音で語り合う場だという。岸本知事は「一人ひとりの問題意識や仕事のやり方、個人の趣味などを聞いて、和気あいあいのミーティングをしている。いろんなヒントがある」と話す。

すでに知事室の職員52人との懇談を終え、現在は本庁勤務の採用6、7年目の若手職員を対象に実施中。今後は対象職員を拡大し、順次実施していく。

県職員について岸本知事は「大変素晴らしい仲間と一緒に仕事ができている」と述べた上で、県庁の業務には「無駄が目に付く」「スピードが遅く、意思決定が重層化している」などと指摘。実施したイベントに対し、効果の検証など事後のフォローアップが少ないとし、課題に挙げた他、職員向け資料にカラーコピーを使用しないよう指示したこと、来年度事業で本庁内にWi-Fiを整備し、庁内業務のペーパーレス化を進めることなどを話した。

人事や機構改革、予算編成については、来年度はこれまでの積み上げを重視し、大胆な改革は再来年度に行うとしたが、各地方の振興局を重視する点などは、来年度の人事、機構改革から「新機軸を打ち出すような調整をしている」と述べた。

就任1カ月を迎えた岸本知事

就任1カ月を迎えた岸本知事