和歌山市南コミセンに図書室 待望オープン
和歌山市紀三井寺の南コミュニティセンターに4月28日、地域住民ら待望の図書室とコミュニティスペースが開室。同日行われたオープニングセレモニーには約50人の地域住民らが集い、生涯学習や地域振興の拠点の誕生を喜び合った。
同センターは2018年5月、同市南部地域の新たな生涯学習や市民サービスの拠点として、旧和歌山地域地場産業振興センターの建物を改装してオープン。当初から図書室の開室を予定していたが、雨漏りの改修工事などを経て、5年越しの実現となった。
1階の図書室は、広さ約500平方㍍。市内のコミュニティセンターの図書室で最も広く、車いすの人もゆったりと本を選べる。最大で収蔵書数は4万3800冊となる。現在は児童書を含めて約2万冊が並ぶ。
図書システムでの予約の開始は、地域住民への貸し出し状況が落ち着く7月以降を予定。今後は毎年7000冊ずつほど増やしていき、5年後には最大蔵書数の到達を目指すという。
2階のコミュニティスペースには、借りた本をゆったりと読めるテーブルやソファ、自習ができる席、作品の展示スペースも設置。現在は同地域の5地区(名草、和歌浦、雑賀、雑賀崎、田野)の公民館の作品が展示されている。展示作品は2~3カ月ごとに入れ替え予定。
この日、南部地域初の図書室誕生を祝うセレモニーには、5地区の公民館長や連合自治会長らも出席。尾花正啓市長が「本との出合いは人生を豊かにし、一冊の本との出合いが人生を変えることもある。読書の拠点として存分に活用していただければ」とあいさつし、テープカットで華やかに祝った。
セレモニー後、早速、真新しい図書室に入った地域住民らは「こんなに広かったんやなぁ」と驚きつつ、喜びの声を上げ、名草地区の小野圭子さん(85)は「立派な図書室ができてうれしい」と笑顔。「ここへ来てゆっくりと読書したり、一服したりしたい」と話していた。