初号機3月9日発射へ 串本の民間ロケット
和歌山県串本町の民間小型ロケット発射場「スペースポート紀伊」を運営する宇宙事業会社、㈱スペースワン(東京都)は26日、初号機の打ち上げを3月9日午前11時から正午ごろに行うと発表した。
当初は2022年3月までの打ち上げを目指していたが、新型コロナウイルスの流行やロシアによるウクライナ侵略など世界情勢の変動でロケットに必要な部品の調達が遅れるなどし、4回にわたり打ち上げ時期が延期されてきた。
打ち上げ予定日の決定は、地元自治体や関係団体でつくる「スペースポート紀伊周辺地域協議会」の臨時総会で明らかにされた。
天候やロケットの整備状況などで変更が生じた場合、3月10~31日の予備期間に打ち上げるとしている。
初号機発射の日が発表され、県民からも「いよいよ」と期待が高まっている。
和歌山市の会社員の女性(42)は「6歳の息子が宇宙やロケットに興味があるので、どんなふうに打ち上がるのか、今からとても楽しみ」と笑顔。
待ち焦がれていたという同市の公務員の男性(60)は、現地で見たいと、前日に宿泊するホテルの予約を取るためインターネットで検索。発表日夜の時点で、すでに串本町内の宿泊施設の予約がほとんど埋まっていて驚いたという。那智勝浦町内で空きを見つけ、すぐさま予約。男性は「何度も延期になって心配だったが、ようやく決まってうれしい。ロケット打ち上げを、自分が住む和歌山で、しかも近くで見られるなんて絶好の機会」と興奮ぎみ。長女が人気漫画『宇宙兄弟』のファンだといい、「一緒にこの目に焼き付けたい。当日、晴れますように」と心待ちにしていた。