高校のeスポ推進 ICT企業が県にふるさと納税

ICT総合企業の㈱サードウェーブ(東京都千代田区、尾崎健介代表取締役社長・最高経営責任者)は14日、和歌山県の企業版ふるさと納税制度を活用し、県が実施する「eスポーツわかやま推進プロジェクト」に寄付をした。寄付金(非公表)と、eスポーツに必要なゲーミングPC、モニター、ヘッドセットマイクなど6種類25セットが贈られた。

県は本年度から、eスポーツ人口の拡や若者を中心とした地域活性化を目指し、同プロジェクトを開始。同社のeスポーツを通して地方創生や教育したいという理念と合致し、寄付が実現した。

同社はパソコンの製造や販売を手がけ、高性能コンピューターを提供。eスポーツ事業にも取り組んでいる。これまでに38自治体に企業版ふるさと納税を活用して寄付を実施している。

寄付されたセットは、同プロジェクトのモデル校である県立高校5校(粉河高校、和歌山北高校西校舎、向陽高校、星林高校、和歌山工業高校)に設置される。

県庁知事室で行われた贈呈式には、同社の尾崎社長と取締役、最高eスポーツ責任者(CeSO)常務執行役員の前田雅尚さんが出席。尾崎社長から岸本周平知事に目録が、岸本知事から尾崎社長に感謝状が手渡された。

岸本知事は、子どもたち自身が好きなことを早く見つけて挑戦するという教育に変えていく必要があるとし「そのためにeスポーツはとても良い素材」と話し、尾崎社長は「eスポーツやプログラミング、映像編集など高度な処理ができる製品を教育現場で活用してもらえたら」と話した。

前田取締役は「eスポーツはプレーヤーだけでなく、チームリーダーやデザイン、会計など運営する側の役割もある。部活動を通じ、高性能のパソコンで作業することで、DX人材に近づくきっかけにもなり学びがある。県と併走していきたい」といい、岸本知事は「学生から取り入れることで子どもたちの可能性が広がる。年度内に県大会を開き、盛り上げていきたい」と話した。

(左から)前田取締役、尾崎社長、岸本知事