医療のDX化推進 MRTが和歌山市に新拠点

医療情報プラットホームの提供などを手掛けるMRT㈱(東京都渋谷区、小川智也社長)が和歌山市にサテライトオフィスを開設し、県、市との進出協定調印式が21日、市役所で行われた。

同社は2000年設立の東証グロース上場企業。医療従事者と医療機関をマッチングする人材プラットホームを運営し、医師約9万人を含め看護師、薬剤師など医療従事者約34万人とつながり、医療人材の紹介実績は日本一を誇る。医療機関の開設や運営のコンサルティング、オンラインでの遠隔診療・健康相談サービスの運営なども手掛けている。

昨年10月には県と「医師確保と医療DX(デジタルトランスフォーメーション)の実現に向けた連携協定」を締結。産科の医師不足で常勤医に大きな負担が生じている紀南で、休暇を兼ねたワーケーションで非常勤医を派遣し、負担軽減とともに、和歌山の地域と都市部の医療従事者をつなぐ取り組みも始めている。

和歌山サテライトオフィスでは、自社ITシステムの開発を進め、全国の拠点にある健康相談などのコールセンター事業を集約して実施する予定で、ITエンジニアや医療関係の有資格者の雇用が期待されている。

新オフィスは、同市八番丁の「Park Biz WAKAYAMA」2階に設置。3月に操業を開始しており、3年間で正社員16人の地元雇用を予定している。

調印式には同社の小川社長と加藤修孝取締役、尾花正啓市長、大川伸也県商工労働部長らが出席し、協定書に署名した。

尾花市長は「和歌山市はIT系の学生の求職は多いが求人が少なく、サテライトオフィスの開設は大変ありがたい。雇用や地域のIT化の面で非常に期待している」と歓迎し、小川社長は「新しい医療サービスをITの力を借りてつくり上げていきたい。医療や看護のDX化はまだまだのところがある。和歌山に広げながら、一緒に取り組んでいきたい」と話した。

協定書を手に(左から大川部長、小川社長、尾花市長)

協定書を手に(左から大川部長、小川社長、尾花市長)