声かけで特殊詐欺防ぐ 海南署が感謝状

特殊詐欺被害を未然に防いだとして、海南署は4日、ローソン海南東インター前店の店員、武田郁子さん(68)と桑原信也さん(39)の2人に感謝状を贈った。

同署によると、昨年7月28日午後2時ごろ、高齢の男性が来店しビットキャッシュカードを購入しようとした。武田さんが購入理由を聞いたところ「パソコンの修理のために必要」などと説明したため、武田さんは詐欺を疑い、警察への相談を促すとともに通報。その後、同署員が駆け付け、男性はだまされていることに気が付いた。

また、ことし4月20日午後6時ごろ、5万円の電子マネーカードを購入しようとしていた高齢女性に対し、桑原さんが購入理由を尋ねると「パソコンがウイルスに感染したのでカードが必要」と答えたことから、桑原さんは「カードと言いながら、使い方も分かっていなかったので何かおかしい」と思い、県警が作っている特殊詐欺被害防止のチラシを見せ、警察への相談を勧め、通報した。

贈呈式は同署で行われ、橋本諭署長は「特殊詐欺被害は増え続け、少額から回数も増えて高額になり被害が拡大している。水際で止めてくださり、ありがたい。引き続きお願いします」と感謝。

武田さんは勤続33年のベテラン店員。「何のために買うのか声をかけると、しばらく口ごもっていたが、『最近は特殊詐欺が増えているので、違ってもいいから警察に相談しよう』と話すとしばらく考えて了承した」と、男性とのやり取りを振り返った。「声をかけたことで詐欺を防げて良かった。違ってもいいから積極的に声かけをしていきたい」と話し、桑原さんは「発生事例などの情報を常にチェックし、お客さんが被害に遭わないよう気をつけていく」と気を引き締めた。

感謝状を手に(左から)武田さん、橋本署長、桑原さん

感謝状を手に(左から)武田さん、橋本署長、桑原さん