外部審査会が初会合 和市職員の自殺巡り調査
和歌山市の補助金不正を公益通報した男性職員(当時28)が2020年6月に自殺し、配慮を欠く人事があったなどと遺族が訴えている問題で、市は8日、外部有識者による市公正職務審査会の初会合を開き、男性に対し不利益、不適切な取り扱いがなかったかどうか審査するよう諮問した。
審査会は弁護士2人と大学教授の計3人で構成。初会合は市役所で非公開で行い、終了後に取材に応じた会長の中川利彦弁護士によると、この日は市人事課から公益通報の経緯や市の対応に関する資料、男性の遺族の要望を受けて行った職員への調査結果などの関係資料が委員に提供され、概要の説明があった。
各委員が資料を精査した上、8月7日の次回会合で、審査会としての調査の方法や対象などを決定する予定。中川会長は、遺族へのヒアリングも必要との見通しを示し、「私たち3人は市と何の利害関係もない。必要な調査を、公正中立な立場から行うことができると考えている」と話した。
男性は18年5月、勤務先で上司から不正な補助金申請の書類作成を指示され、心身に不調をきたして休職。同年8月に公益通報を行った。市は通報を元に不正を確認し、20年2月に関与した職員15人を処分。男性は18年10月に職場復帰後、20年4月から処分を受けた職員と同じフロアでの勤務となり、同年6月に自殺した。遺族と支援団体は、男性の公務災害認定、市の第三者委員会による真相解明を訴えている。