和歌山地検検事正 瀧澤氏が就任会見

就任記者会見で話す瀧澤検事正
就任記者会見で話す瀧澤検事正

和歌山地方検察庁検事正に瀧澤一弘氏(57)が22日付で就任した。25日に同地検で記者会見した瀧澤氏は「安全で安心して暮らせる和歌山を守っていくために、適正に検察権を行使することに努めたい」などと抱負を語った。

瀧澤氏は東京都出身で、東京大学法学部を卒業後、1995年4月に東京地検検事となり、日本司法支援センター本部総務部副部長、東京高検検事、福井地検検事正などを歴任している。

瀧澤氏は会見で、力を入れたい取り組みとして被害者支援と再犯防止を挙げ、検挙者に占める再犯者が50%に近いことなどを示し、「刑事手続きの最終的な目的は、二度と再犯をしない環境をつくっていくこと。保護や矯正の機関、自治体とも協力しながら、少しでも今の状況を改善していきたい」と述べた。

印象深い仕事では、司法制度改革推進本部事務局時代に総合法律支援法の成立に携わったことを挙げた。司法をより容易に利用できるよう支援する日本司法支援センター(法テラス)の設立に至った法であり、「法律関係の問題で困ったことがあったら法テラスへと言ってもらえるようになり、いろいろな役割が法律によって新たに与えられるまでの組織になったことは非常にうれしい」と話した。

和歌山の印象については、司法修習時代の夏に高野山を訪れた経験を紹介し、「和歌山は温暖で海が近いイメージが強かったが、内陸部にもこのような歴史的な遺産があるんだなと思った」と語り、今後行ってみたい県内の場所として、本州最南端の潮岬、那智の滝、熊野本宮大社などを挙げた。