智弁がコールドで圧勝 和東は本塁が遠く

6回裏、満塁本塁打を放った上田㊨(智弁)
6回裏、満塁本塁打を放った上田㊨(智弁)

第106回全国高校野球選手権和歌山大会は27日、和歌山市毛見の紀三井寺公園野球場で準決勝2試合があった。第1試合では智弁が田辺に7―0で7回コールド勝ち。第2試合では和歌山東が近大新宮に0―3で敗れた。決勝は29日午前10時から予定されており、智弁が勝てば2年ぶり27回目、近大新宮が勝利すると初めての優勝となる。

第15日

【第1試合・準決勝】

田辺
智弁 ×

(7回コールド)
〔田〕寺西―前田〔智〕渡邉―上田▽本塁打=上田(智)▽三塁打=松嶋(智)▽二塁打=福元(智)

前半、智弁・渡邉と田辺・寺西の両エースが投手戦を展開した。渡邉は要所でギアを上げて本塁を踏ませず。智弁打線は得点圏に走者を進めるも好機を逸した。

試合が動いたのは5回裏、智弁は1死一塁から松嶋が右中間に適時三塁打を放って先制に成功する。2死後に松本の左前適時打で2点目を挙げた。

続く6回には、2死一、二塁から花田の右適時打で3点目。上田には満塁本塁打が飛び出してリードを7点とした。7回表、田辺を三者凡退とし、4試合連続、無失点でコールド勝ち。2年ぶり28回目の決勝進出を決めた。

上田潤一郎選手は満塁本塁打について「タイムリーでチームを勢いづけようと打席に入った」と言い、高校通算2発目が満塁打となり「ただただうれしい」と笑顔だった。先制打を放った松嶋祥斗選手は「決勝でもチームの勝ちに貢献できるようなバッティングをしたい」と意気込んだ。


好機はつくるも本塁が遠かった(和歌山東)
好機はつくるも本塁が遠かった(和歌山東)

和歌山東の先発・増岡は3回に暴投で1点を失うも、4、5回を三者凡退でしのぐなど5回1失点と粘投した。打線は2、3、5、7、8、9回、得点圏に走者を進めたが、好機を生かせなかった。

6回以降はエースの前芝に継投したが、9回表に適時内野安打と犠飛で2点を失った。3点を追う裏には、1死満塁と一発出ればサヨナラの好機をつくったが、得点することができなかった。和歌山東は近大新宮を超える7安打を放つも、本塁が遠かった。

和歌山東の主軸、谷村剛選手は「甲子園ベスト8が目標だったので負けて悔しいが、心強い仲間との楽しい3年間だった」と話した。

辻太一主将は「選手として出られなかったが後悔はない。みんなと一緒に頑張ってきてよかった」と振り返った。

【第2試合・準決勝】

近大新宮
和歌山東

〔近〕西田、田中、小田島―井上〔和〕増岡、前芝―辻奨▽三塁打=李(近)▽二塁打=矢守(近)芝(和)