小学算数が過去最高8位 学力テスト県内

文部科学省は29日、4月に小学6年生と中学3年生を対象に実施した全国学力・学習状況調査の結果を公表した。和歌山県内の平均正答率は、小学校算数が全国を上回り過去最高の8位、同国語が全国と同程度で14位だった一方、中学校は国語、数学とも全国を下回り、特に記述式問題に課題が見られる結果となった。

県内は小学校219校の約6640人、中学校114校の約6100人に対し、国語、算数・数学の2科目で行った。

県内の平均正答率は、小学校国語が68%で全国と同じ、同算数が64%で全国を1㌽上回った。中学校は国語が55%、数学が50%で、いずれも全国を3㌽下回った。

中学校で特に課題があったのは、国語では、話し合いの話題や展開をとらえながら、他者の発言と結び付けて自分の考えをまとめる問題(正答率38・6%)、目的に応じて必要な情報に着目して要約する問題(同36・2%)。数学では、複数の集団のデータの分布の傾向を比較して読み取り、判断の理由を数学的な表現を用いて説明する問題(同23・0%)、事象を数学的に解釈し、問題解決の方法を数学的に説明する問題(同14・0%)などだった。

小学校算数は、学習指導要領の領域別平均正答率で、「図形」を除く4領域で全国を上回った。同国語は、「知識及び技能」の領域で全国を上回った一方、「思考力、判断力、表現力等」では下回り、中学校で同領域の全国との差がより顕著になっている。

結果を受け県教育委員会は「小学校は学力に確かな改善が見られる一方、中学校は一層の改善が求められ、継続的な検証に取り組んでいく」としている。

児童生徒への質問調査結果では、「授業の内容はよく分かる」や「地域や社会をよくするために何かしてみたいと思う」と回答した割合が、小中学校とも全国を上回った。

一方で、パソコンやタブレットなどのICT機器の使用について、前学年までの授業で「週3回以上使用した」と回答した割合が、小学校で11・5㌽、中学校で9・8㌽全国を下回り、大きく差がある課題があった。