東選手が銅メダル フェンシング女子フルーレ団体
パリ五輪フェンシング女子フルーレ団体の3位決定戦は1日に行われ、和歌山市出身の東晟良(あずま・せら、24)=共同カイテック=ら日本がカナダを33―32で退け、銅メダルに輝いた。フェンシングでは、日本女子初のメダル。試合後のインタビューで、東選手は「メダルを持って帰れるなんて、言葉にならないくらいうれしい」と喜びを語った。
団体には8チームが出場。チーム3人ずつ総当たりの計9試合で争い、先に45ポイントを取るか、最終的に得点の多い方が勝ちとなる。
世界ランキング4位の日本は、東の他、宮脇花綸(かりん、27)=三菱電機、上野優佳(22)=エア・ウォーター、菊池小巻(27)=セガサミー=が出場。初戦の準々決勝はポーランドに45―30で快勝し好スタートを切ったが、準決勝は世界ランキング1位のイタリアに39―45で敗れた。
3位決定戦は、序盤から両チーム互角で息をのむ展開。東選手は第3ピリオドでは、気迫の剣さばきで4ポイント連取。第6ピリオドは苦戦し、1得点3失点で20―17に。第8ピリオドにも登場し、3得点4失点の32―29でリードを保ったまま、上野選手に託した。
上野選手が1点差に迫られながらも1ポイントを守り切った。
メール打つ手震えた 高校時代の恩師も歓喜
東選手が競技を始めた小学4年生から和歌山北高校時代までを指導した、同校の後藤真徳教諭(36)もテレビの前で声援を送った。メダル獲得を決めた瞬間には鳥肌が立ったという。
恩師は熱戦を「よく粘り勝った。高校時代に比べて自身を鼓舞する声の出し方が身に付き、気迫を前面に表現できるようになった」と評価する。高校時代には全体練習後の自主練習に積極的に励んでいたといい、「努力を欠かさない子だった。実ったのがうれしい」と喜びをかみ締めた。
後藤教諭は試合後、東選手にメールで「おめでとう。感動して手が震えメールも打ちにくい。よく頑張ったな」と送った。4年後のロサンゼルス五輪では、「団体の金メダルを期待する。個人でもメダルを取れるような選手になってほしい」と願っている。