自転車持ち込みOK JR和歌山線で実証実験開始

自転車を折り畳まず乗車できる
自転車を折り畳まず乗車できる

JR西日本は6日、追加料金不要で自転車をそのまま列車内に持ち込める「サイクルトレインプラス」の実証実験を和歌山線の和歌山―五条間で開始した。利用者が自転車と電車を組み合わせて行動範囲を広げ、和歌山線沿線のさまざまな地域の魅力を楽しんでもらおうと実施。公共交通機関のさらなる利便性向上が期待される。

JR西日本によると、2021年9月から運行している「きのくに線サイクルトレイン」は延べ3万人以上が利用し、利用者から好評を得ているという。きのくに線と和歌山線を合わせると利用可能区間は250㌔を超えた。

利用可能列車は、五条行きが和歌山駅16時52分~18時発の3本を除く25本。和歌山行きは和歌山駅9時~11時34分着の4本を除く24本。乗車可能駅は和歌山、岩出、粉河、橋本、五条の5駅。日曜と祝日限定。1車両につき自転車3台まで。予約が必要。

初日には、同社の社員でサイクリング歴3年の牧澤茜さん(29)が、和歌山―粉河間でサービスを利用し、自転車を折り畳まず、改札や階段やホームを通り電車で移動した。

牧澤さんは「今まで以上に多くの景色を見に行けてとてもうれしい。折り畳まずに乗れるので乗りたい時に気軽に利用できる」と笑顔。

同社近畿統括本部和歌山支社の芹川至史副支社長は「自転車で電車に乗る選択肢を提供し、利用者がいろいろな場所で自転車を楽しんでほしい」と話した。

12月末まで、本格導入のための条件を検証する。予約申し込みは同社公式サイト。紀の川エリア観光サイクリング推進協議会のマップには、サイクリスト限定で自転車修理や飲食などの割引がある60店舗が載っており、那賀振興局の阪口公章局長は「気軽に自転車を持って電車に乗り、マップを参考にしながらの観光も楽しいと思います」と話している。