助け合いに「防災名札」 片男波自治会が活用
近所付き合いが希薄化する中、地域の人同士が顔見知りになり、災害時の助け合いにつなげようと、和歌山市和歌浦の片男波自治会は、住民一人ひとりにネームプレートを配布。防災訓練などの地域活動時に身に着けて参加する取り組みを行っている。
同地区は1区から6区まであり、318世帯、770人が居住。
ネームプレートの表面には名前、区と班、裏面には血液型、かかり付け医を表記。ヒモの色は区別で6色に分け、一目で居住区が分かるようになっている。
東京都昭島市のつつじが丘北防災協議会が実施したところ、住民の関係が深まり、あいさつが活発になったという事例を聞き、元自治会長で現在は相談役の玉置成夫さん(87)が4年前に取り入れた。
玉置さんは「同じ地域に住んでいても知らない人がいるし、顔は知っているが名前を知らない人もいる。近所の人がお互いを知っておくことは災害時の助け合いにつながる」と話す。
防災訓練などの地域活動では、住民らがネームプレートをきっかけに会話が広がることも多いという。また災害発生時に身に着けておくとどこの誰かがすぐ分かり、安否確認、けがや病気の処置が素早くできる。
同地区の日方広行防災部長(74)は「いつ発生するか分からない災害に備え、地域の身近な助け合いでお互いの命を守りたい」と話している。