紀州いぐさ知って グランヴィアで商品展示

雪駄に見入る宿泊客
雪駄に見入る宿泊客

日本の伝統である畳の魅力を県産のいぐさで伝える展示が、和歌山市友田町のホテルグランヴィア和歌山1階ロビーで行われている。白浜町で栽培された「紀州いぐさ」で作った雪駄など、カラフルで洗練されたデザインの商品が宿泊客らの目を引いている。展示は10月5日までの予定。

白浜町に本社を置く1940年(昭和15)創業の㈲井戸畳店が手がけたもの。

雪駄は縁取りと鼻緒部分に2色を使った全48のカラーバリエーションが並び、男性用と女性用の他、インバウンド用のサイズもある。いぐさ本来の風合いを生かしながら和風に限らないデザインで、ブックカバーとカードケースも展示されている。

同社は減少する国産いぐさを守ろうと、2014年から同町でいぐさの栽培を始めた。試行錯誤の末、4年かけて市場に出せる品質のいぐさが生産できるまでになり「紀州いぐさ」が誕生した。ロビーには紀州いぐさのオブジェが並び、同店のこれまでの歩みなども紹介。いぐさの香りを楽しむこともできる。

同社が織ったいぐさを奈良県の企業らが加工し、同社のライフスタイルブランド「inoca(イノカ)」からインターネットで販売されている。海外発送も可能。

同ホテル営業部担当課長の中山美佳さん(36)は「紀州いぐさがあることを広く知っていただきたい。商品を実際に見て生産者の思いも知ってもらえたら」、オランダから観光で来日したTim Drubbelさん(71)は「見た瞬間『これだ!』と思った。娘と孫娘に贈りたい。自然素材で美しく、素晴らしい」と感激の様子で話していた。