社会支える巧の技体験 ものづくりフェア盛況

ものづくりの魅力を伝える「紀の国わかやまものづくりフェア」が11月30日、和歌山市手平の和歌山ビッグウエーブで開かれ、子どもたちが技能士や職人に教わりながら、さまざまなものづくりを楽しんだ。
体験を通じて熟練技能者の優れた技を知ってもらい、ものづくり人材の裾野を広げようと、県技能振興コーナー(県職業能力開発協会)が主催。主に小学生を対象に、建築、塗装、造園、調理、和裁などの22団体が32種類の体験を用意した。
県板金工業組合のコーナーでは、10㌢四方の銅板に、くぎと金づちを使って桜や犬、飛行機などの模様のコースターを完成させた。子どもたちは、たたく力を調整しながら夢中で作業。指導する側が驚くほど丁寧に仕上げる子もいた。
また、県洋家具商工業協同組合のブースでは、木製の収納ボックス作りに挑戦。のこぎりの持ち方や使い方について手ほどきを受け、ヤスリで磨き上げた。
この他、県日本調理技能士会による太巻き、いなりずしを作る体験も人気で、長い列ができていた。板金の体験をした市内の小学校4年生の女の子は「何度もトントンたたいて手が疲れたけど、きれいに作りたいと思って頑張った。家に飾っておきたい」と笑顔だった。
県職業能力開発協会の鉛口恵吾事務局長は「技能者は社会のものづくりを支えているという自負がありますが、人材不足は深刻。子どもたちに興味・関心を持ってもらい、将来のものづくり業界を担ってもらいたい」と話していた。



