水道の漏水調査効率化 和歌山市が衛星画像解析で成果

和歌山市は22日、人工衛星の画像解析で水道管の漏水調査を行う新たな取り組みの途中経過を公表。漏水の疑いがある箇所が絞り込まれることで、人が調査する管路の距離が半減するなど、効率化の成果がみられる。
衛星画像による調査は、人工衛星から地表にマイクロ波を照射し、水道水特有の反射波をAI(人工知能)で解析することで行い、地中約3㍍までの漏水の疑いのある箇所を半径100㍍の範囲で抽出できる。市は本年度から導入した。
市内全域の水道管路2325㌔を対象に6月に照射を実施し、8月に画像解析を完了。全体の約25%、613カ所に漏水の疑いがあると分かり、11月30日までに134カ所について、調査員が歩いて水道管の音を確認する「音聴調査」を終え、31カ所の漏水を発見した。残る箇所は来年3月までに調査を行う。
音聴調査は従来、1989年以前に設置された管路1229㌔を対象としてきたが、衛星画像解析の導入により、市内の全管路を対象に広げた上で、調査範囲を592㌔に絞り込むことができた。
尾花正啓市長は「衛星の活用で非常に効率が良くなり、調査の期間、時間も短くできる」と手応えを話した。


