被災者に温かい風呂を 和市と県公衆浴場組合が協定

和歌山市と県公衆浴場業生活衛生同業組合(中本有香理事長)は15日、災害時に被災者が公衆浴場を無料で利用できるようにするなどの協定を締結した。
能登半島地震などの大規模災害時、住宅の損壊や断水などにより風呂が利用できなくなり、被災者の生活・衛生環境が低下する問題が発生しており、対策の一環として市が同組合に協定の締結を申し入れ、実現した。
同組合には公衆浴場11店(同市内9、海南市内2)が加盟。2021年10月に和歌山市の六十谷水管橋の崩落による大規模断水が発生した際、加盟店は被災者の支援に動いたが、支援方法や被災者確認などの取り決めがない状態では「動き方が分からず」(中本理事長)、組織的な支援は困難だった。
今回の協定では、災害時には市が被災者に入浴証明書を発行し、入浴費用も負担する。同組合の加盟店は、被災者が優先的に入浴できる時間帯を設けるなどの対応をとる。
締結式は市役所で行われ、中本理事長、鶴巻郁夫副市長らが出席。両者が協定書の確認を行い、鶴巻副市長は、災害協定の締結事業所であることを示す認定プレートを中本理事長に手渡した。
鶴巻副市長は「災害時は、大量の水が必要になる入浴は後回しになりがち。入浴環境を提供していただけるのは大変ありがたい。協定を知ってもらうだけでも心理的効果がある」と感謝。中本理事長は「避難生活が長期化する中で、入浴が心身の健康にいかに重要かは強く感じている。地域に根差した公衆浴場は、非常時にも地域を支える役割を担っている。被災者に心身ともにリラックスしてもらいたい」と話した。


