災害時1人で放送可能 林総務大臣が和歌山放送等視察

緊急時に1人で放送できるスタジオで中村社長(手前右)から説明を受ける林総務相(同中央)
緊急時に1人で放送できるスタジオで中村社長(手前右)から説明を受ける林総務相(同中央)

林芳正総務大臣は24日、和歌山市や白浜町を訪れ、情報通信関連企業などを視察した。同市では県域ラジオ局の㈱和歌山放送(湊本町)を訪れ、中村榮三社長らから、災害時の備えとしてアナウンサー1人で生放送ができるシステムを構築したスタジオなどの説明を受けた。

林大臣との意見交換で中村社長は、海岸線沿いにも山が迫り、平地が少ない地形から、県内は電波が届きにくく、県全体に放送を届けるためにAM8局、FM6局の中継局を設置していることなどを説明。「県全体をカバーする地方紙(県紙)がない中で、地域情報を伝える県域ラジオへの県民の期待は大きく、その使命を自覚して取り組んでいる」と地元の現状を説明した。

同社の技術担当者は、今秋リリースを目標にスマートフォン用のアプリの開発を進めていることを説明。ニュース記事を見ながら再生ボタンを押すと、リアルタイムで和歌山放送が聞ける仕組みで、「スマホが簡単にラジオになる」ことを目指している。

スタジオ見学では、災害などの緊急事態に迅速に対応するため、話し手がディレクター業務を兼ねて1人で放送ができるシステムを紹介。機材に設置した「割り込みオン」のボタンを押すことで、流れている全放送がフェードアウトし、即座に緊急放送を行うことができる。

林大臣は「南海トラフ地震などの災害が起きた際には、ラジオは一番身近で携帯もできるので、非常に大事な役割を果たしておられる」と述べ、同社の取り組みに期待を寄せた。

白浜町に移動した林大臣は、NEC白浜リビングラボで総務省の「ふるさとテレワーク推進事業」を活用した取り組みを、㈱南紀白浜エアポートと情報通信研究開発機構では、地域活性化の取り組みや災害に強いネットワーク技術などを視察した。