和歌山クラブ優勝 全日本バスケ

 東日本大震災復興支援・第2回全日本クラブバスケットボール選抜大会が14、15の両日、和歌山市の和歌山ビッグホエール、ビッグウエーブを会場に開催され、男子の部で地元注目の和歌山クラブが見事優勝した。仕事などの都合で登録メンバーがそろわず選手8人という厳しい状況で挑んだビッグイベントは、序盤シーソゲームを展開したヘッジホッグ(北信越代表)との準決勝を、最終クオーターの猛攻で制し、決勝では終盤追い上げたハマショウクラブNAVIO(東海代表)を、わずか3点差で振り切り、クラブ日本一に輝いた。

 ◇準決勝 和歌山 93(26―26、25―21、22―28、20―7)82 ヘッジホッグ

 ◇決勝 和歌山 73(18―13、20―20、19―14、16―23)70 ハマショウ

 紀の国わかやま国体の強化チームとして、ことし4月に誕生した和歌山クラブは、垣内監督の下、実業団での経験豊富な知念が司令塔となり2㍍を超える長身の劉や1㍍90㌢の宮村らを軸に、全員が一丸となって積極的な攻撃と粘り強い守りを発揮。初戦でヤマガタ・クベーラ(東北代表)に11点差、2回戦の近畿1位代表バブルスも12点差で下した。

 準決勝のヘッジホッグ戦は、第1クオーターから攻守とも一進一退を繰り広げた。2点のリードを許し突入した第4クオーターで和歌山は、知念のシュートで77―75と逆転すると、劉や柳本らが次々に得点を挙げ着実にリードを広げた。相手の反撃を7点に抑える守りも堅実で、終盤に飛び出した宮崎の3点シュートが、勝利を大きく引き寄せた。

 ハマショウクラブNAVIOとの決勝は、相手に先制されたものの、劉や柳本、知念らの連続シュートで挽回、一気に13点差を付けゲームの主導権を握った。シュートが決まらない相手に対し、和歌山は知念の素早いパスを宮村が確実に得点につなげ、57―47と10点リードで第3クオーターを終えた。第4クオーターを前に、知念が「受け身になるな」と全員に指示を出し、最終の10分間に臨んだ。得点を重ねながら時間を有効に使う和歌山に対し、ハマショウはパワーで反撃、残り時間22秒で2点差まで迫ったが、焦りが反則を誘い、終了5秒前にフリースローを得た和歌山は、宮崎が確実に1点を加え、初の栄冠を手にした。

 大会の男子7位、女子2位までが、11月3日から広島県広島市で開かれる第9回全日本社会人バスケットボール選手権大会の出場権が得られ、初の切符をつかんだ和歌山メンバーは、新たな目標へ闘志を燃やしていた。

 和歌山クラブの垣内監督は「開催県というプレッシャーもあったと思うが、選手たちは少ないメンバーでよく頑張った。ベンチを含めチーム一丸となっての優勝だ。全日本社会人では、上位を目指してしっかり練習をしたい」とした。知念主将は「この大会の前に、ふがいない負けを喫した。ミーティングで気持ちを引き締め再スタートを誓ったことが、1試合ごとにチーム力の向上につながった。社会人大会には、一人ひとりがやるべきことをやり、クラブチームでもできるということを示し、2年後の地元国体へ弾みを付けたい」と意欲を見せた。

 《和歌山クラブ》監督=垣内信明▽主将=知念恭平▽選手=劉瑾、宮村悠、中岡佑太、平晃知、柳本博紀、三井峻輔、宮崎潤、高木智也、井上卓哉、大黒友暉、峯尾守