林淡幽さん古希記念茶陶展 22日までG龍門
京都の陶芸家・林淡幽(たんゆう)さん(70)の古稀記念展が22日まで、和歌山市湊通丁北のホテルアバローム紀の国ギャラリー龍門で開かれている。
主催は美術・茶の湯道具の翠洸洞(津市)。淡幽さんは約50年前、祥瑞(しょんずい)の本歌に出合い、そのコバルト色の美しさに深く感銘を受けて陶芸家の道へ。伯父の二代林円山氏のもとで作陶し、竹田益州建仁寺管長(当時)から「五山窯」の名を賜った。
展覧会は和歌山で6年ぶり4度目。祥瑞の写しや色絵に金彩を加えた金襴手など、茶わんや水指、香合や花入など約80点が並ぶ。
最近特に力を注いでいるという、水色と紺を基調にした古清水の作品は、色数を減らし、優美な模様が細密に描かれ、爽やかで優しい雰囲気が魅力。他にも、螺鈿(らでん)をはめ込み、草花の絵付けを施したもの、永楽保全が紀州徳川家藩主に献上した茶わんの写しなど、紀州ゆかりの作品も並ぶ。
他の茶道具との調和を大切に作陶を続ける淡幽さんは「茶道具はいつまでも残るもの。妥協せず常に『一生一品』の思いで作っています。70年の歩みを凝縮させたような展覧会ですので、ぜひ足をお運びください」と笑顔で話している。
午前10時から午後5時(最終日は4時)まで。会期中は茶席も設ける。問い合わせは同所(℡073・436・3964)。