貴重な立体涅槃像を開帳 坂田の了法寺で
和歌山市坂田の日正山了法寺(小林慈享住職)で15日、全国的にも珍しい立体涅槃像を開帳する年に一度の「涅槃会」が行われ、地域の住民や小学生らが参拝に訪れた。
涅槃像は釈迦が入滅し、それを悲しむ医師や弟子、鳥獣などを表現した「涅槃図」を立体にした群像。同寺の涅槃像は江戸時代初期に造られたとされ、納められている釈迦堂には天井に龍が描かれ、像を囲むように1000体の釈迦如来像が並べられている。また、像の中には1体だけ笑っている天邪鬼がいる。
この日、釈迦堂では僧侶が般若心経を唱え、参拝者も一緒に手を合わせながら唱えていた。
和歌山市語り部クラブによる境内ガイドも行われ、寺の歴史や紀州徳川家との関わり、涅槃像の解説を聞き、参拝者は知識を深めていた。
海南市から訪れた女性(69)と和歌山市の女性(73)は「この数年間毎年来ている。絵ではなく像として、きれいに残っている涅槃像を見ると、とても厳粛な気持ちになる」と話していた。