多様な団体へ対応を 新市民会館に市民要望
和歌山市七番丁の旧伏虎中学校跡地に平成33年4月の開館に向けて、市が計画を進めている新市民会館を巡り、市内を拠点に活動する芸能各種団体が集まった「和歌山市民会館を利用する文化団体」が9日、市議会と市に対して、主に小ホール(400席)に関した、設計案の再検討を求める要望書を提出した。
この日は、演劇や日本舞踊、雅楽、オペラ、バレエ、カラオケ、フラメンコなど、各種団体の代表ら約30人が参加した。各種団体らは、市が基本設計案で示している小ホールのイメージパースが、クラシックコンサート専用ホールのような印象になっていることから、多様な団体がパフォーマンスできる舞台構造などへの変更を要望。要望書には、舞台上部にフライタワー(舞台空間)や音響反射板の設置の他、多機能舞台袖や一部可動客席、舞台床防音などの設置の他、大・小ホール用の各リハーサル室の確保を盛り込んだ。
今回の要望は、計画の大枠を示した基本設計策定が終盤に入り、間もなく詳細な図面となる実施設計着手の段階に入ることから行動に移した。
市議会では、野嶋広子議長と戸田正人副議長が対応。13日に開会する市議会6月定例会で、基本設計案について経済文教委員会などで、市会議員のそれぞれの考えで市当局と議論する見通しを示し、野嶋議長は、「皆さんの声を100%反映させることは不可能だが、できるだけ意見は取り入れたい」と、一定の理解を示した。市教委側の担当者らも、「いろんな方に喜んでいただける施設にしたい。小ホールの舞台などの詳細な構造の要望については、個別に各団体から意見を聞きたい」と、柔軟に対応する姿勢を示した。