視覚障害の競技を体験 高田選手が根来小へ
子どもたちがパラリンピアンと交流し、障害者スポーツへの理解を深める体験授業「あすチャレ!スクール」が15日、和歌山県岩出市の根来小学校(原寿宏校長)で開かれ、4年生約70人が、視覚障害者の競技「ゴールボール」を、北京パラリンピック女子日本代表で2020年東京大会を目指す現役選手、高田朋枝さん(33)から学んだ。
日本財団パラリンピックサポートセンターが主催し、昨年度から全国で実施。県内では初開催で、同小の他、串本町と田辺市の小中学校でも開かれた。
ゴールボールは、目隠し(アイシェード)をした選手が3対3で鈴の入ったボールを転がし合い、ゴールを奪う競技。ゴールやディフェンスの位置が見えない中、選手は相手の気配や鈴の音を頼りに動き、攻防を繰り広げる。鈴の音の邪魔をしないよう、得点が入った時以外は声を出してはいけないなどの観戦マナーもある。
児童は、高田選手からルールの説明を受けた後、試合を体験。目隠しをしながら体を動かす感覚に戸惑い、投げたボールの軌道が狙いから大きく外れたり、自分の正面に転がったボールに気が付かなかったりし、視覚以外の感覚を研ぎ澄まして行うゴールボールの難しさを実感していた。
高田選手は、視力以外の能力で対等にプレーできるゴールボールの魅力と、パラリンピアンとしての喜び、苦しみの体験を児童に語り、諦めずに努力を続けることや、障害の有無に関係なく他人を思いやる大切さなどを訴えた。
山本陽輝君(10)は「何も見えず、鈴の音もなかなか聞こえなかったので怖かったですが、またプレーしてみたいと思いました」と話していた。